技術用語は英語由来の単語が多いです。たとえば、アーキテクチャとかプログラミングとかアナリシスとか、横文字が大量に存在します。この横文字カタカナ語がなんとなく読みづらいと思ったので、原因と対策を考えてみました。
カタカナは識別しづらい
個人的には、プロジェクトと書くよりも project と書いた方が識別しやすいと思うのです。
アルファベット (alphabet) の方が画面を占有する幅が短い1もちろん全角は除きます。alphabet は不自然な感じですですし、カタカナより alphabet の方が文字自体に特徴が多い気がするのです。ただそれは小文字の場合で、ALPHABET のように大文字で書くとカタカナに似た読みづらさを感じます。昔のプログラムとか定数とかで使う SCREAMING_SNAKE_CASE がちょっと苦手です。
英語は単語の間にスペースを入れるという記法も読みやすさの要因としてあるのかなと思います。 「リレーショナルデータベースマネジメントシステム」と書くと、どういう単語で構成された言葉なのかぱっと見で分かりにくいです。 “Relational Database Management System” と書けば、最初のスペースによる区切りのおかげで database 関連の単語なんだなというのがすぐに分かると思います。日本語においてもスペースの代わりとなる表現方法はあります。「リレーショナル・データベース・マネジメント・システム」という点(中黒)で区切る方法です。
そもそも日本語は漢字とひらがなという密度の異なる2種類の文字が混在することで、英語で言うスペースのような単語の区切りを表現できるのです。カタカナだと全部同じような密度の文字が連続するので読みづらくなっているのかと思います。
実際はどうなっているか
とはいっても、一人だけ英語由来のものをすべて alphabet で記述するのは変な目で見られ、居心地の悪い思いをすることになります。一般的にどのような使い分けがされるかというのを Wikipedia の Postgres の記事を参考にして2ついさっきまで postgres をいじっていたので整理してみます。
英語で書くもの
- 略語 (例: RDBMS, SQL)
- 固有名詞 (技術系のみ? 例: PostgreSQL)
略語は大文字でそのまま書きます。確かに RDBMS のことをアールディービーエムエスと書く人は見たことがありません。
固有名詞に関しては、「ポストグレスキューエル」と書いてみると違和感しかないです。ただ、「ウィキペディア」は違和感がありません。この違いは何なのでしょうか。はっきりとしたことは言えませんが、技術系の固有名詞は alphabet で、一般的に広く普及してる固有名詞はカタカナでも可という分け方のように感じます。
カタカナで書くもの
- 一般名詞(例: データベース)
- 固有名詞(人名や学校名)
カタカナに置き換えるのは日本語を使う人にとって読みやすくなるという利点は理解できます。Wikipedia で言語を切り替えてみると、他の言語でもそのような文字の置き換えは一般的なようです(転写と言うらしい)。
漢字の場合もある
“function” は「関数」、 “aggregate” は「集約」というようにカタカナではなく漢字で書かれます。私は言語学者ではないのでこの辺は分からないのですが、漢字とカタカナの境界はどのあたりなのでしょうか。
妥協点
不自然にならない、かつ読みやすい文章にするためには、以下のルールでカタカナを使いこなす必要があると思います。
- カタカナを不自然にならない程度に避ける
- 技術系の固有名詞はアルファベットで書く(例: PostgreSQL)
- カタカナではなく漢字で表現できるものは漢字で書く(ファンクションではなく関数)
- カタカナを使う時は
- 長いカタカナ語は点で区切る(例: リレーショナル・データベース・マネジメント・システム)