最近キャッシュレス決済が盛り上がっており、キャッシュレスを目指している私としてはうれしい限りです。ただ、世の中が目指しているキャッシュレスと私が目指しているキャッシュレスの方向性には乖離があることに気が付きました。私が目指しているのはキャッシュ(現金)レスではなく、ウォレット(お財布)レスなのです。
「もの」を持ち歩きたくない
私は出かける時の装備を極力減らしたいと考えています。スマホだけで出かけたい気持ちです。
そんなことを常々考えているので、最近あったキャッシュレス消費者還元事業の対象事業者を見ていた時にクレジットカードが列挙されていたのをみて、クレジットカードってキャッシュレスじゃなくない?とか考えていました。私的にはキャッシュレス→「もの」を減らせるという認識だったためです。クレカは「もの」なのでキャッシュレスじゃないと思ってしまいました。自分の都合のいいように解釈しちゃう、認知バイアスの一種ですかね。
素早く決済したい
決済関係の「もの」を減らした結果、決済のスピードも速くなることも期待しています。現金みたいに小銭確認してできるだけお釣りの量を減らすなどといった余計な思考に要する時間と、小銭を取り出す時間を省略できるためです。理想としては端末をかざすだけで決済が完了するとよいです。
どれだけ使ったか分かりづらくなるという嘘
よくキャッシュレスにするとどれだけ使ったか分かりにくくなるという人がいますが、それは間違いだと思います。キャッシュレスにするという事は、「もの」ではなく「データ」のやり取りになるので、どれだけ使ったかという「データ」を収集しやすくなるのです。「もの」である現金を家計簿で管理すると、だいたい毎月使途不明金が発生します1私が面倒くさがりで忘れっぽいからという説もありますが。
キャッシュレス決済と連携できる家計簿サービスとして、 Money Forward Me や Zaim といったサービスがあります。
ウォレットレスに求める条件
少し長く語ってしまいましたが、要約すると以下の3つが必須条件という事です。
- ウォレットレス:スマホで決済可能
- スピード:素早く決済できる
- オープンデータ:家計簿と連携できる
最強のサービスは存在する?
上記の条件に合致して、さらにどこでも使えるサービスが存在するとありがたいのですが、残念ながら今のところそのようなサービスは存在しません。いくつかのサービスを併用することになります。
合致するサービス
ちなみに私は iPhone ユーザーなので、誠に勝手ながら Apple Pay 対応またはコード決済じゃないとウォレットレスに認定しません。店舗数は私がよく使う店舗に対応しているかなので偏りがありますがご了承ください。
サービス | ウォレットレス | スピード | オープンデータ | 対応店舗数 |
---|---|---|---|---|
現金 | × | × | × | ◎ |
Suica | ○ | ◎ | △ | ◎ |
Pasmo | ○ | ◎ | △ | ◎ |
iD | ○ ※ | ○ | ○ ※ | ○ |
QUICPay+ | ○ ※ | ○ | ○ ※ | ○ |
PayPay | ○ | × | × | ◎ |
d払い | ○ | × | ○ | ○ |
au Pay | ○ | × | ○ | ○ |
Line Pay | ○ | × | ○ | ○ |
楽天 Pay | ○ | × | × | △ |
Visa タッチ | × | ○ | ○ ※ | △ |
※ 契約するクレジットカードによります
他の項目は固有サービス名なので、iD, QuicPay, Visa がこの表にいるのは不自然な感じですが、クレジットカード列挙するとキリがないのでこのような形にしました。
QR 決済はコード表示するまでの手数と、通信環境が悪いとコード表示に時間がかかるのでスピードは×にしました。レジって店舗の奥の方にあったり、微妙な無料 Wi-Fi が飛んでいたりするのでもたつきがちです。
何を持つべきか
私がここ10年くらい色々試して、最終的にどのキャッシュレス決済サービスを用意しておけば便利で困らないかまとめます。
iD と QUIC Pay
少額決済系で最も速度が速いのは交通系ICカードです。ただ弱点が1つあり、交通系以外の決済はすべて「物販」として記録されるのでどこで使ったか分からなくなります。あくまでも交通用なのでしかたないです。
次点で速度が速いのが iD, QUIC Pay となります。基本的にどちらかを持っていればよいのですが、まれに iD しか使えない、 QUIC Pay しか使えないパターンがあります。前者は関東圏、後者は中京圏で見かける印象です。ですのでどちらも1枚ずつ持っておくのが理想です。
クレカに iD または QUIC Pay が付いているからと言って、スマホに登録できるかというとそれはまた別問題なので、 Apple Pay または Google Pay に対応しているかはしっかり確認する必要があります。
交通系IC と QR 決済
キャッシュレス対応している店舗だと、レジ横によくわからないくらい大量の対応サービス一覧が貼ってあることが多いです。ただ、そうでないパターンもよくあります。
最近キャッシュレス始めましたみたいな店舗だとありがちなのですが、現金以外は PayPay だけ対応してますという店舗がよくあります。決済手数料を当面無料にしてQRコード登場初期から一気に攻めたのが PayPay だからです。そういった店舗に出くわしたときのため、 PayPay は持っていた方が安心です。
ただ、家計簿連携ができないので PayPay は積極的には使いたくないです。最近はほかの QR 決済も頑張っているので、家計簿連携できる QR 決済を別に持っておくとよいです。
エキナカや駅周辺の店舗でありがちなのが、交通系ICだけ対応してますというパターンです。駅の自販機とかコンビニとかですね。電車を利用する場合はモバイル Suica かモバイル PASMO を持っていた方が無難です。
クレジットカード
スマホで決済するサービスは少額決済サービスとも呼ばれていて、高額の買い物の場合は上限額(数万円くらい)に引っかかってしまうことがあります。ですので、高額の買い物が発生した時用にカードは持っておいた方がいいです。
少額決済でカードしか使えないパターンはほぼないので、普段の生活では持ち歩かなくてもよいと思います。
ただ、空き時間で EC サイトを利用する時はカード番号の入力が必要になるので、そういったサービス利用する方はカード持っていた方がよいです。Kyash のようにアプリ上でカード情報確認できるサービスもおすすめです。
現金
まだまだキャッシュレス対応していない店舗も多いので、やはり現金は必須です。会社行って帰るだけのように、行動パターンが決まっている場合は現金のみの店舗を避ければいいのですが、付き合い2コロナの影響で最近は少ないですがなどでそうも言ってられない場合もあります。あとは小規模な病院は現金だけのことが多いです。お財布じゃなくてもいいですが、非常時に備えて数万円はどこかに忍ばせておいた方が安心です。
今後は ATM 手数料の増加が想定されるので、消費者の立場としてはできるだけ現金使用は避けていきたいですね。
その他
今はキャッシュレスサービスの競争が激しいので、各社色々なキャンペーンを打ち出しています。上記の利便性などにとらわれずに、各キャンペーンに乗っかった方が金銭的にお得ではあると思います3ただ、そのために遅い QR 決済を使うかというと微妙ですね。
まとめ
まとめると以下です。これだけ持っていればほぼ現金を使うことはないです。
- iD, QUIC Pay
- 交通系IC
- 家計簿連携できる QR決済
- PayPay
- クレカ
- 現金
ただ、現金とクレカが必要と言っている時点で、ウォレットレス失敗してますね・・・。ですが最低限の現金とカードだけでいいのでお財布の小型化はできます。
小型の財布
小さい財布だとお札の折れ目が気になる人がいると思いますが、ご祝儀とかでピン札が必要とかいう場面は少ないですし問題ないかと思います。レジで出したときに失礼という意見もありそうですが、個人的には今どき現金しか受け取らない方が・・・、と思ってしまいます。一応最低限の礼儀として、折り目を軽く伸ばしてから渡すようにはしています。
ただ、三つ折りになるタイプは機械に詰まりやすいので注意が必要です。反対に折るなどして伸ばしてから入れるようにしてください。
最後に
完全なウォレットレスは実現できませんでしたが、キャッシュレスの比率を増やすことでお金の流れを把握しやすくなったり、ポイントがたまってお得だったり、時短になったりします。キャッシュレス決済を使えばより便利な生活を送ることができますので、この勢いでどんどん普及していってほしいです。